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■店主の選ぶアルバム10枚【1】『今まで聴いてきたレコードの中から・・・』■










生涯の10枚と言ったら大袈裟ですが、ワタシにとって聴いた回数や受けた影響、想い出の密度のもっとも濃いモノを選んでみました(並びはハマった順です)。

【1】タンクス/T.REX〜中学生の頃か兄からレコードを借り、テープに録ってよく聴いていたものです。当時はギター小僧だった自分はジミ・ヘンドリックス心主義でそちらの影響のほうが大なはずですが、今回の10枚に入れていない理由はアルバム単位ですと選びにくいという点(このことは大好きなCANン・ラーにも言える)とレコード鑑賞ではなく演奏のコピーに必死だったからという印象が強いからでしょう。
本作でのマーク・ボランが創り出す退廃的なポップ感の統一性は『電気の武者』や『スライダー』の充実期よりも個人的には断然上だと思います。初めて聴いた時にみんな同じ曲に聴こえた!という感想は兄も同じでした。

【2】アースバウンド/キング・クリムゾン〜当時日本盤初登場でそのときしか国内盤は出なかったもので新譜として買いました。カセットにダビングしてウォークマンで爆音にして毎日自転車こいで高校に通っていたことを思い出します。クリムゾン・ファンからはそっぽ向かれそうなアルバムでしょうが、この音の悪さと険悪なチームワークはクリムゾンのサウンドを別次元に押し上げて(下げて)います。今の耳で聴けば立派な音響作品?です。ラリーズ・ファンにも是非!

【3】狂い咲き/岡林信康〜あの頃、日本のフォークは熱かった。これは彼の当時作曲した曲をすべて自演した日比谷野音での実況盤でLP3枚組。フォークといえば少々年を重ねた現在の自分としては高田渡なぎらけんいちの音三上寛の世界のほうがしっくりいくが、当時浪人生だったワタシへの岡林の影響力は大きかったです。笑いと哀愁の弾き語り⇒加熱していくフォーク・ロックへの展開がこのライヴ盤で両方楽しめる。現行CDでは皇室ネタの部分をあからさまにカット、実況の面白みが激減しているのでアナログ盤で探しましょう。

【4】ホット・ラッツ/フランク・ザッパ〜初めて手に入れたザッパ関連のアルバム。ほぼインストものですが一曲盟友キャプテン・ビーフハートが歌っています。ザッパ流クロス・オーバーなジャズ・ロック。彼のような多作でしかも多様なスタイルを持つアーティストのアルバムはどれから聴くかがカギですが、この盤から入ったおかげで幸か不幸かその後数年間ザッパの深遠なる世界にハマってしまいました。

【5】ターミナル・ラブ/ピーター・アイヴァース〜美大に通っていた年上の友人宅で聴かせてもらって以来、2〜3年探してやっと見つけたアルバム。一度耳にしたら忘れない女性のような声とタイトなバンド・サウンドと録音です。1曲目など一回聴いただけでもホントに2〜3年間忘れていませんでした。この10枚のなかではメジャーではないかもしれないですがワタシにとって何故か外せない魅力ある作品です。

【6】フレッシュ/スライ&ザ・ファミリー・ストーン〜昔、ウッドストックの映画を名画座で見て以来(ビデオやDVDの時代じゃなかった)スライの生み出すリズムにすっかりやられてしまった憶えがあるが、名盤『暴動』ではなく何故こちらかというとそのリズム隊の変更でよりシャープになっている感じがイイからです。特にアンディー・ニューマークのハイハットさばきには舌を巻きます。@と同様で絶頂期を超えた少し後、傑作を出した次のアルバムというものには何かがあります。

【7】アガルタ/マイルス・デイビス〜音を耳にして体に電気が走るというような体験はそうありませんが、これは針を落としたとたんまさしくその状態になったレコードです。ワタシは当時管楽器を含むバンドを組んでいましたが欲しかった音のすべてがここにありました。ジミヘン<ピート・コージーの公式があらわになるギター炸裂の瞬間もあり。今でこそマイルスのブートで当時のライヴを沢山聴けますがインパクトでは最初に受けたものが勝ちます。日本盤がオリジナル、アナログ盤邦題は『アガルタの凱歌』でした。

【8】トーキン・ブルース/ボブ・マーリィ&ザ・ウェイラーズ〜スタジオ・ライヴとインタビュー音源が交互になっていて、バニー・ウェイラーがいないのは残念ですがこの尖がったリズム全員攻撃の演奏にホントに打ちのめされました。ワタシが本格的にレゲエの世界に入り込んでしまうキッカケになったアルバム。もっと若い頃に有名な『ライヴ!』を聴いていたがまったくハマらなかったのに、こちらには一発で中毒になるくらいのパワーがワタシにはあった。

【9】ライヴ・デッド/グレイトフル・デッド〜デッドについてはかなり前から聴いてはいたが30代近くなるまでその良さがハッキリわからなかった。ガキ向けではない疲れてきたからわかるものもあるということの典型。『ワーキングマンズ・デッド』や『アメリカン・ビューティ』の時期もイイし、ライヴ・テイクとしてはもっと良いものもあるのだが一番記憶に刷り込まれている点でやはりこのアルバムを選んだ。しかしあまりライヴものは好きでないはずのワタシだが半数も実況盤を選んでいる結果には驚いています。

【10】軋轢/フリクション〜アルバムとして考えた結果、裸のラリーズじゃがたらを抑え日本のロック代表ということで。技術面ではなく空気感が日本のものと違う、『NO NEW YORK』あたりに入っていてもなんら違和感のないサウンド。初期の3人の緊張感のあるサウンドが堪能できます。ワタシ自身デビュー盤の3曲入りEPがベストだと思うし、ライヴ盤等よりこのアルバムはフリクションのインパクトが薄れているという方もいると思いますが、通しで聴くバランスということでの評価でこの作品を選びました。


※平成17年12月現在。以後ここに割り込んでくるべくアルバムの発見はあるのだろうか?




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